娘の巣立ちが教えてくれたこと(前編) 〜親としての心の変化〜

娘の巣立ちから始まった私たちの新しい生活には、不安もありました。でもそれ以上に、それまで気づかなかった喜びや出会いがありました。人との縁に助けられ、いまの暮らしにたどり着いたことを、感謝とともに日々かみしめています。

娘が本格的に家を出たのは、社会人2年目の夏。でも、私にとっての「巣立ち」の始まりは、大学入学のとき。地元を離れ、県外の大学の寮に入ったあの瞬間から、私のなかの何かが少しずつ変わり始めていたのだと思います。

夫婦ふたりの生活に戻ったのは、実に18年ぶりでした。

それまでの生活がどれほど娘中心だったかに、初めて気づかされた気がします。なんだか家が広くなったような、少し寂しさが漂うような。毎日、娘のことを話題にしていたわけではなかったけれど、生活の中心にはいつも彼女がいたのだと、あとから思いました。

家の中は静かになり、それは大きな変化に感じられました。最初は気づかなかったのですが、自分のなかで「寂しいな」と思っていたのだと思います。

でも、そうした時間が少しずつ、私たちにも変化をもたらしてくれました。

18年という長い時間、子育てに向き合ってきた夫婦が、ようやくひと息ついたときに見えるものがあるのかもしれません。


次回の後編では、巣立ちとともに始まった私たち夫婦の新しい生活、もしかしたら福岡へ引っ越すことになったきっかけなのかもしれないエピソードや、娘からの手紙についてお話しします。


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